このブログは、介護を「支える側」ではなく、介護を「受ける側」になった経験をきっかけに生まれました。
病気や障害は、ある日突然、生活の立場を大きく変えます。私自身、脳梗塞を発症し、リハビリ病院での入院生活を送ることになったことで、それまで頭の中では理解していた「介護」や「医療」という世界を、当事者として体験することになりました。
ベッドの上で過ごす時間、リハビリの予定に沿って動く一日、看護師さんや療法士さん、介護士さんの声かけや支援。
そこには確かに「人の手」があり、「支える仕事」がありました。
同時に、見えないところで制度や書類、ルールが動いていることも、少しずつ感じるようになりました。
ただ、その二つは私の中でうまくつながっていませんでした。
現場では、目の前の人の体調や不安に寄り添いながら支援が行われている。
一方で、制度の世界には、専門用語や条文、基準、加算、報告書といった「言葉の世界」が広がっている。
どちらも大切で、どちらも必要なはずなのに、その間に大きな距離があるように感じました。
特に強く感じたのは、
「現場で行われていることが、制度の言葉に翻訳されていない不安」
「制度で決められていることが、現場の実感として理解されていない不安」
でした。
それは誰かの怠慢ではなく、構造の問題なのだと思います。
忙しい現場では、制度をじっくり読む余裕はありません。
制度を作る側は、現場の一つひとつの感情や空気までは書き切れません。
その結果、両者のあいだに「説明されない空白」が生まれます。
私はその空白が、とても不安定で、怖いものに感じました。
現場で一生懸命やっていることが、
「制度的にはどう評価されているのか」
「書類としてはどう表現されるのか」
「実地指導ではどこを見られるのか」
が分からないまま働くのは、とても心細いことです。
逆に、制度の文章だけを読んでいると、
「人が生きている現場」が見えなくなってしまいます。
このブログは、その間にある距離を、少しずつ埋めるためのノートです。
私は現在、介護職員初任者研修を受講しながら、介護の基礎を学んでいます。
同時に、将来は行政書士として、介護事業者の
・書類
・制度
・実地指導
に対する不安を整理する役割を担いたいと考えています。
まだその途中です。
今は「支援する側」でも「制度の専門家」でもありません。
介護を受ける側になり、そこから学び始めた段階です。
だからこそ、このブログでは「完成した答え」を書くつもりはありません。
代わりに、
・研修で学んだこと
・現場や体験を通じて感じた違和感
・制度を読んでいく中で見えてきた構造
・言葉にならなかった不安の正体
を、一つずつ整理して言葉にしていきます。
専門用語はできるだけ使いません。
使う場合も、「なぜその言葉が必要なのか」「現場の何を表しているのか」を一度立ち止まって考えます。
制度の文章は、どうしても難しくなります。
ですが、それは「難しく書くため」に存在しているのではなく、
「誤解を防ぐため」「公平に扱うため」にそうなっているはずです。
このブログでは、
「制度をやさしくする」のではなく、
「制度が何を守ろうとしているのかを、静かに読み解く」
ことを目指します。
批判もしません。
煽りもしません。
正しさを振りかざすこともしません。
ただ、
・現場で起きていること
・制度で書かれていること
・その間に生まれるズレ
を、感情論ではなく、構造として整理していきます。
私はまだ「専門家」ではありません。
むしろ、「わからない側」に近い場所にいます。
制度の文章を読んで戸惑い、
研修で聞いた言葉に引っかかり、
「これってどういう意味なんだろう」と立ち止まる側です。
だからこそ、同じように感じている人の視点を忘れずに書けると思っています。
このブログは、
・管理者向けのノウハウ集でもなく
・集客のためのブログでもなく
・正解を教える場所でもありません。
「考える途中を記録するノート」です。
静かに、少しずつ、言葉を整理していく場所です。
もしこのブログを読んで、
「自分だけが不安だったわけじゃないんだ」
「制度が嫌いだった理由が少しわかった」
「現場と制度は、敵同士じゃないのかもしれない」
そんなふうに感じてもらえたなら、それだけで十分です。
介護の世界は、人の人生と深く関わる世界です。
だからこそ、制度もまた、人を守るために存在しています。
その二つを、対立させるのではなく、
つなぎ直す作業を、私は続けていきたいと思っています。
このブログは、そのための小さな記録であり、
将来、行政書士として介護事業者を支えるための
「思考の土台」を作る場所でもあります。
完成された答えはありません。
あるのは、問いと整理の途中経過だけです。
それでも、静かに、誠実に、
一つずつ言葉にしていきます。
ここは、
介護現場と制度を、
感情ではなく構造として、
静かに整理するノートです。